「医療文書の作成補助」は医師事務作業補助者が担当する業務の中でもとても大切な仕事です。
診断書や紹介状、意見書など、医師が作成しなければならない文書は意外と多く、医師の事務的負担は大きなものです。
そのため医師事務が文書作成をサポートすることで、医師が診療に集中できる環境をつくることができます。
医療文書は患者さんの治療・転院・保険請求などに関わるため、正確さが何よりも重要です。
とはいえ、最初は用語の難しさや書式の多さに戸惑うこともあります。
この記事では、初心者の方にも分かるように、医療文書作成補助の基本と、実際に扱う文書の種類、よく使う書類の違いについて解説します。
医療文書の種類
医療機関で取り扱う文書はとても多く、医師が1人で作成するには大きな負担となります。
ここでは、医師事務作業補助者が日常業務で関わることが多い文書を紹介します。
診断書(一般診断書)
患者さんが保険会社や勤務している会社に提出するための書類で、「いつ受診したか」「どんな病気なのか」などを記載します。
フォーマットは病院オリジナルのものや保険会社の指定のものがあります。
診療情報提供書(紹介状)
他院への紹介時に作成する文書です。現在の病状、治療経過、検査結果などを記載します。
外来や入院で毎日発生することが多い文書で、医師の業務負担が大きいため、医師事務が下書きを作成する場面も増えています。
意見書・主治医意見書
介護保険申請や障害年金の申請時などに必要な文書です。
医師による医学的な判断が必須で、記載内容が多く難易度が高い書類でもあります。
医師事務は入力補助や必要項目の整理などでサポートします。
退院サマリー
入院患者さんが退院するときに作成される文書です。
入院期間の経過、治療内容、今後の方針などをまとめます。
入力量が多いため、医師の指示に沿ってテンプレートを利用しながら補助します。
手術記録・処置記録
詳細な記録が必要ですが、専用システムに沿って入力することが多く、医師が記載した内容の整形やフォーマットの調整を行うこともあります。
紹介状・診断書・意見書の違いを解説
医療文書の中でも、初心者が特に混乱しやすいのが「紹介状」「診断書」「意見書」の違いです。ここでは、それぞれの特徴を分かりやすく整理します。
紹介状(診療情報提供書)
目的:他院に患者を紹介するための情報共有
紹介状は、患者さんを他の医療機関に紹介する際に作成されます。
主に以下のような内容が記載されています。
・現在の病状、治療経過や検査内容
・主治医の見解
・今後の治療に必要な情報
紹介状はスピードが求められることが多く、医師事務が下書きや検査値の整理をすることで、医師が確認・修正に集中でき、外来がスムーズになります。
一般診断書、入院証明書
目的:会社提出・保険申請などのために病気を証明する書類
診断書(証明書)は、
・いつ受診したか、または入院期間
・病名や病状、検査結果、手術内容
・治療の見通し
などを証明するための文書です。
保険会社専用の診断書は項目が細かいため、医師事務が事前に書類を確認したり、必要な情報を抽出し、仮作成をしてから医師に確認、承認をもらいます。
主治医意見書
目的:介護保険・障害年金など、公的申請のための医学的判断を記載する文書
主治医意見書は、患者さんの生活状況や障害の程度を医師が医学的に評価するための書類です。
記載項目が多く、内容も専門的で、医師にとっても負担が大きい書類のひとつです。
医師事務は、過去の診療記録を振り返って必要な情報を抽出して、システムに入力、手書きならば下書きして最終確認を医師が行うなど、作成の下支えを行います。
まとめ
医療文書の作成補助は、医師事務の仕事の中でも重要な業務です。
紹介状・診断書・意見書など医療文書には多くの種類があり、それぞれ目的も内容も異なります。共通しているのは「正確さ」と「丁寧さ」が求められることです。 最初は覚えることが多いと感じるかもしれませんが、経験を重ねるうちに、文書の特徴や流れが自然と身についていきます。
経験を積むことで医師からの信頼も高まり、職場での役割がどんどん広がっていくでしょう。

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